Q:土鍋はふつうの粘土で作れますか?

A:急熱・急冷に耐えられる、耐熱鍋土(たいねつ・なべつち)を使います。いわゆる鍋土(なべつち)で作った土鍋はガスコンロでは使えません。

一般的に売られている耐熱用の鍋土には、ペタライト(リチウム長石(※長石とは別物)というものが40~50%入っています。
ペタライトを入れることで、熱による膨張率が小さくなって、直火で焚いても割れない鍋ができます。

ペタライト入りの耐熱用鍋土の焼成温度は、ふだんの本焼き(1230~1250度くらい)よりも低く1150~1200度で焼きます。

また、伝統的な鍋土も使えます。

信楽の鍋土(なべつち)や伊賀の土鍋用の粘土はガスの直火にかけられます。
伝統的な鍋土の場合は、通常よりも低い温度、1180~1200度で本焼きします。

1200度を超えると粘土が焼け締まるため、ガスの熱で起きた膨張を吸収する隙間がなくなって割れてしまいます。

以前、僕はそのことを知らないで、ふだんと同じように1250度で焼いたことがあります。
水を入れてガスコンロに掛けるてしばらくすると、パキッと鋭い音がして、鍋の底から湯気が出ました。
いつ真っ二つに割れるか、気が気ではありませんでした。

写真は、ペタライト入りの耐熱鍋土で作った土鍋。ただいま乾燥中。