Q:窯の焚き方には「あぶり」とか、いろいろあるそうですが、違いは?

A:焚き方は温度帯によって、「炙り(あぶり)」、「攻め(せめ)」、「煉らし(ねらし)」があります。

1、「炙り(あぶり)」
  900度くらいまでの焚き方。
  水分を蒸発させて、本格手的な焼成に入る準備段階。まだ釉薬は溶けない。

2、「攻め(せめ)」
  900度を過ぎて、還元焼成を行なうときの焚き方。(酸化焼成の場合は、そのまま温度を上げる)
  登り窯の場合は、薪をくべる焚口から炎がこぼれ、窯の内部が酸欠状態になって、窯があえいでいるような状態になる。
  まるで炎を攻めているようで、温度は上がりにくい。

  釉薬は溶けて、ガラス状になる。

3、「煉らし(ねらし)」、「焚き上げ(たきあげ)」ともいう。
  最高温度(1250度くらい)をキープする焚き方。
  還元焼成で出たススを切る(燃やす)ために酸化焼成する。
  粘土が焼け締まる温度帯。

  これを長時間行うことで釉薬に味が出ると言う人もいる。
  窯の上下の温度を揃えて均一に焼き上げる、という意味もある。

※写真は、ある日のガス窯の焼成記録