Q:削りのあとの底割れ。原因と対策を教えて!
A:おもな原因は3つです。対策も合わせて答えます。
1、作るときに底の「締め」が足りなかった
手びねりなら、見込み(底)の部分をよく叩くこと。
ロクロなら、底にコテを押し当てる。
この作業、粘土の粒子を密にすることを「粘土を締める」といいます。
これをいいかげんにすると、乾燥時に切れやすい。
2、底が厚い
底の厚さが9ミリをこえると割れやすい。
粘土はフチから乾燥します。乾燥しながら収縮してゆきます。
底の部分が乾くのは最後になります。
底の部分の粘土が乾燥して縮むとき、周囲に引っぱられて、底切れすることになります。
厚いほうが丈夫で切れにくいと思わないでください。
厚いほうが切れやすいのです。
3、底が柔らかいうちに削った
削り作業は、粘土を締める効果もあります。
やや固くなった粘土にカンナを押し付けて削ることで、粘土が締まります。
柔らかい粘土を削ると、粘土が締まらないために、底切れしやすくなります。
触ってみて粘土がベタつかなくなったら削りどきです。
削ってみて、削りかすが本体にくっつくようなら、もう少し待ちましょう。
柔らかいうちに削ってしまった場合は、白く乾いてしまうちょっと手前で、もう一度カンナで削るか、木ベラで良くこすっておくこと。
粘土が締まって切れにくくなります。
※写真協力:津田沼陶芸教室会員 M・Aさん