Q:松灰を使った釉薬と、柞(いす)灰を使った釉薬で色が違うのはナゼ?

A:灰を使った釉薬を灰釉(かいゆう)と呼びますが、元の樹木の種類によって、含まれる成分が違います。そのために、釉薬の色や風合いに違いが出ます。

松は鉄分が好きで、土壌の中からたくさん鉄分を吸い上げます。
ですから松を燃やすと、鉄分の多く含まれた灰が採れます。
松灰を使ったビードロ釉は、緑の発色で、これは鉄分によるものです。

染付けの釉薬に使われるのは、柞(いす)の木を燃やした柞灰。
鉄分を好まない木なので、色のつかない透明な釉薬になります。

植物は、それぞれ自分の好きなものを地球から吸収しているんですね。
『「個性」とは、周囲から何を吸収するか』ということかもしれません。

そんなことを木の灰から教わりました。