Q:焼きあがった器を、使う前にしておくことはありますか?また、きれいに保つために、ふだんどんな手入れが必要ですか。

A:使う前に次のふたつのことをしてください。

1、テーブルを傷つけにくくする
  まず、器の底(高台=こうだい、畳付き=たたみつき)を指で触ってみてください。
  ガサガサしていたらテーブルなどを傷つけるおそれがあります。
  細めの布ヤスリや、金剛砥石(ホームセンターなどで購入)で磨いてなめらかにしてください。
  このとき釉薬のかかっている部分をこすると傷が着くので気をつけて。

2、陶器の場合は、汚れが染み込みにくくするため「目止め」をしてください。
  焼きあがったお皿などに、いきなりお醤油などを入れると汚れがしみ込んでしまいます。
  「目止め」しましょう。
  米のとぎ汁をナベに入れて、器を浸します。そのまま弱火で10分~20分ほど煮ます。
  釉薬の貫入に汚れや臭いがしみ込みにくくなり、また粘土のあらい目をふさぐ効果があります。
  火を止めたあと取り出して、冷めるまで待ちましょう。
  水洗いしてぬめりをとって乾燥させてください。

  ナベに入らない大きさの皿などは、米のとぎ汁をすこし煮詰めてドロッとしたものを入れます。
  2時間ほど経ったら洗い流して乾燥させましょう。

花瓶などのモレを止めるのも同様の方法で行ってください。
※教室の会員さんから「うちは無洗米なんですけど、どうすれば?」という質問!
米粉か小麦粉を大さじ1杯、またはご飯を少量水に入れれば、とぎ汁の代用になりますよ。
※とぎ汁で煮るのが面倒という人は、ナベに水を入れて器をひたして、そのまま煮るだけでも丈夫になります。


使う前、使い終わって、収納時の留意点

使う前
粉引き(こびき=白化粧を掛けたもの)や、釉薬に貫入(かんにゅう=ひび)の入ったもの、焼き締め(釉薬のかかっていないもの)は、油分やお醤油がしみ込むと汚れの元。
しみこまないよう、使う前にしばらく水に浸けておいてから、お料理を盛ってください。

使い終わったら
ふつうにスポンジで洗ってかまいませんが、漬け置くことは避けた方がいいでしょう。
汚れた水がしみ込む恐れがあります。

収納
陶器⇒ふきんで水分を取ったあと、できればしばらく乾燥させてから収納してください。
   釉薬の掛かっていない高台部分を上にして乾燥させましょう。
   水がしみ込んだまま片づけると、とくに高台部分にカビが発生することがあります。
磁器⇒水分を拭き取ったあとすぐに収納してもOKです。
   重ねると傷つきやすいので、和紙やキッチンタオル(ティッシュでもOK!)を間に挟んでください。

※目止めをしても貫入からの染み込みは、完全には止まりません。
 使ううちに貫入に色が付いてきますが、これを「器が育つ」と言います。
 育つのを見守るのも和食器ならではの楽しみです。