Q:焼くとき、途中まで窯のフタを開けておくのはナゼ?

A:粘土や釉薬に含まれている水分を窯の外に逃がすためです。

素焼きや本焼きをするとき、昇温の途中まではフタを少し開けておきます。
粘土や釉薬に含まれている水分を窯の外に逃がすためです。

最初から閉めきった状態で焼くと、窯の鉄部分が、錆(さび)やすくなります。
また作品に変色が見られたりします。

私(林)の場合は、電気炉なら600度を越えるまでは、5センチほどフタを開けておきます。

水分なら100℃で水蒸気になりますが、粘土と分子の状態で結合している「結晶水」が水蒸気になるピークが530度くらい。

水分は出なくなりますが、フタを閉めるのはもう少し待ちましょう。

粘土の中の石英に含まれる珪酸分が膨張するのが573度。
フタを閉めると、温度が急上昇するため、この温度帯を過ぎた600度になってからフタを完全に閉めます。

ガス窯でも同様で、600度くらいで、窯の天井にある蒸気を逃がす口を閉じます。

いま、518度なので、あと1時間ほどしたらフタを閉めます。