Q:「釉ハゲ」が出たのに、先生は「面白い!」と言います。なぜ?
A:工業製品なら「不良品」かもしれませんが、作品は「面白い!」と思えるものができれば良いのです。
たとえば桃山時代に作られた「国宝」や、名品と言われるものをよく見ると、釉はげや釉ちぢれなどが出ているのをよく見かけます。
国宝の「井戸茶碗・喜左衛門(きざえもん)」に見られる「梅花皮(かいらぎ)」だって、あえて言えば、[釉ちぢみ」の一種です。
16世紀の朝鮮・李朝時代の陶工が、庶民のために焼いたご飯茶碗です。
意図したものではないはずです。
それらの一見すると欠点に見えるものさえも、美しさの魅力を損なうものではなくて、むしろ魅力に感じられることが多いものです。
工場で作る製品には、こうした「欠点」はあってはならないものでしょう。
でも、作品作りは、「何を作ろうとしているか(つまり「創意」)」がキチンと表現できていれば良いと思うのです。
欠点のない女性よりも、欠点がある女性の1点輝く美点はとても魅力的!
説明になっているでしょうか。
※写真は、国宝の「井戸茶碗・喜左衛門(きざえもん)」
(根津美術館の展覧会HPから。コピー不可の処理がされていなかったので拝借しました)